シン・ゴジラ

御無沙汰しておりました。何度かそろそろ更新されているのでは?と思ってこのHPを覗いてみてくださった方ももしやいるかもしれません。このブログも夏休みというわけではないのですが、すっかりわたし自身が夏モードに入り、私生活では毎年必須と課している海水浴修行に行ったり、京都~奈良~三重~静岡と歴史探訪(その詳細については、このブログでもそのうちに紹介させていただくかもしれません)にいそしんでいたせいもあり、ずいぶんブログ更新をお休みしていました。一度遠ざかると、どうも取りかかることが億劫になってしまうのが悪い癖です。いよいよ秋の気配も漂いはじめ、心機一転、ブログを再会します。

 

さて閑話休題。シン・ゴジラです。あの「エヴァンゲリオン」の製作者である庵野秀明さんが総製作であり、つまらないわけがない作品です。久々のT-JOY東広島、公開間もなくであり、大シアターの1番です。

 

いやはやというべきか、さすがというべきか、本作は誰にでもすすめられる素晴らしいエンタテイメントになっていました。とくにCGを駆使した本物の東京や鎌倉の街がゴジラにめちゃくちゃにされていくさまはリアルでもあり、不思議と痛快でもあり、実際にその街を訪れた経験のある人間にとっては、よく見慣れた日常の風景が、天によって遣わされた獰猛な啓示のごとく、ゴジラによって破壊されていくさまは誠に痛快であり、おお~この街にまでゴジラが登場したのか!という・・フィクションであるにもかかわらず、まるで実際の報道ドキュメントを観るかのような錯誤に陥りながら、日本政府を中心とした人類のシステムと獰猛な神の使い・ゴジラのせめぎ合いを痛快に観覧させてもらいました。

 

見どころは盛りだくさんで、さまざまな角度からの鑑賞できるよう庵野監督らしい重層的なつくりになっていました。おそらく一度だけでなく複数回見られる方も多いのではないでしょうか?

 

東日本大震災で暴走した福島第一原発のメタファーともいえる放射能を帯びた怪獣ゴジラ、それに対応していく日本の、官邸をトップとした防衛システムがリアルで歯切れがいい(実際の政府の対応は歯切れ悪く禍根の残るものでしたが・・)のはもちろんなのですが、そんな小難しいことを考えなくても、リアルで圧倒的に強力な神獣?ゴジラの存在感、科学的考証としてギリギリありえそうな設定、米国をはじめとした世界の、ゴジラという災害に対する冷徹な反応(なんと首都東京への原爆投下によるゴジラ駆除を提案してくるのですから)、ゴジラ登場とそれに対抗して起動する防衛システムのバックに流れる、まるでエヴァのような沸き立つ音楽などなど・・・、全てが興味深く、迫力に満ちた音と映像に圧倒されながら、さまざまな示唆、思考への刺激も与えられての素敵な映画世界がそこにはありました。

 

本作を観るものはわたしを含め、こうした諸々の情報、思考、快楽の嵐に2時間抱かれながら、陶酔のなかでエンドマークを迎えることになるのでしょう。いやあさすが庵野監督、堪能させていただき有難うございます。

 

次はいまだ終焉を迎えていない、エヴァの新劇場版の続編を心待ちにしております(笑)。

 

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コメント: 1
  • #1

    シネ丸 (水曜日, 14 9月 2016 14:46)

    ゴジラシリーズ第28作「ゴジラFINAL WARS」から12年。  日本版ゴジラの最新作「シン・ゴジラ」は社会現象化し興行収入80億を超えそうな大ヒット!
    「シン・ゴジラ」監督・特撮監督の樋口真嗣は日本特撮映画史上最高傑作である「平成ガメラシリーズ」の特撮監督,当時の東宝ゴジラ特撮スタッフは圧倒的な凄さに度肝を抜かされたそうです。 その樋口監督とエヴァンゲリオンの庵野監督がタッグを組んだ作品。
    CGゴジラが東京を破壊(モーションキャプチャーでの動きは野村萬斎)する場面は,3.11の津波を思い出させるような迫力。 右往左往する内閣,陰で操る官僚,かっこよく応戦する自衛隊,石原さとみの英語力,ツッコミどころも満載ですが,久しぶりのゴジラにワクワクしっぱなしの2時間でした。