記録と記憶

政治的背景もあり、テロなど心配されたソチ・オリンピックも無事終了しましたね。
わたしも結構、夜更かして観てました。フィギュアスケートは男子が金メダル、女子が入賞とやや意外な結果に終わりましたが、注目の浅田真央さんは金メダルという記録はついに残せなかったものの、人々の記憶に永遠に残る素晴らしいフリー演技を残しました。

採点スポーツの常ではありますが、浅田さんはショートで失敗せず、全力を出していても、あの状況(はっきりいって、金妍児はシンプルな技ですごい加点だし、金メダルの子は地元ロシアのホームタウンディジションで真央ちゃんに不利は明らかでした)では銅メダルだったかもしれず、あえてメダルをはずし、素晴らしい記憶だけを残したのは、これはこれでよかったような気がしました。わたしが好きなサッカーに例えると、1982年スペインワールドカップのブラジル代表(ジーコ、ファルカン、ソクラテスを始めとした、黄金のカルテットが魅惑的かつ進歩的なサッカーを展開した、記憶に燦然と輝く伝説のチームですが、あえなく古典的なイタリア逆襲サッカーに準決勝を目前にして敗れ去りました)みたいなもので、これはこれでありなのかなと思いました。

このまま潔く引退してしまったら、フィギュア界の山口百恵(これまたたとえが古くてすみません。彼女は、当時の誉であったレコード大賞において、毎年つねに本命視されながら、一度もその栄誉に輝くことはなく、人々の記憶に輝く足跡のみ残し引退した偉大な歌手です)みたいな存在になるかもしれませんね。