寄生獣

12月の映画の日に本作をT-Joy東広島にて観てきました。わたしは少年のころ漫画家になりたかったほどの漫画好きなので、リアルタイムでこの作品は当然読んでおり、今も我が家の本棚にある作品です。当時の読後感は「なんてよくできた作品なのだろう」という驚きとともに、ラストをもう少し大きく展開させてくれれば、「デビルマン」や「ワンダー3」「サイボーグ009黄泉編」「凄の王」のような漫画史に残る傑作になったのに・・・という印象だけを記憶しているものの、いまや物語の詳細はすっかり忘れているゆえ、映画館の暗闇にて本作はまるで初めて観る作品のように楽しめました。そして映画で見ても「うーっむ、やはりよくできている・・」と再び嘆息させられました。

 

よく考えてみれば、この作品以降、「GANTZ]「進撃の巨人」など人類には理解不能な異生物に人間、もしくは世界がまったく根拠や説明もなく突然、理不尽にも乗っ取られるというような世界観を表出する作品が増えたのではないか?と今更ながらに気づかされ、本作の映画化は遅ればせながらの真打登場ともいえるわけです。

 

まあそんな前口上はどうでもいいぐらい本作はエンタメ的に優れていました。物語は息をつかせぬ展開。そのなかでも、人間から寄生獣へのグロテスクかつリアルな変容、主人公とガールフレンドのほのかな恋心、母親への思慕とその別れなどが隠し味としてちりばめられ、物語は容赦なく突き進んでいきます。

 

映像的にもCGの優秀さだけでなく、画そのものがファンタジックでありながら実写のリアリティを損なっておらず、とても好感のもてる絵作りでした。

 

さらに出演陣が豪華です。主演には「ヒミズ」で二階堂ふみと主役をはった染谷翔太、ミギーの声には阿部サダヲ、ガールフレンドには影のある少女役をさせたら天下一品の橋本愛、他にも大森南朋、浅野忠信、深津絵里等々。いずれもふつうの作品なら主役を張れるクラスの役者が華麗に脇を固めているのはちょっとした驚きであり、本作の強い吸引力がなせる業なのでしょう。来年4月に封切られる完結編がいまから待ちどおしい心境になっての映画館からの帰路となりました。おそらく完結編は原作の少し弱かったエンディングとは変えてくると思われ、4月には寄生獣という壮大な物語の本当の姿をこの目で早く見たいものです。