カープ愛

年の瀬に広島にとってはビッグなクリスマスプレゼントが届きました!!

黒田、カープに8年ぶりの復帰!!

地元中国新聞ではなんと朝刊一面で報道。その朝、眠気眼に新聞をのぞいたわたしも驚きに目が覚め、その後目を疑いました。それもそのはずで、黒田のカープ復帰というのはそれほど特別なことなのです。大リーグからの日本プロ野球への復帰・・・。今回の黒田の事件までは、メジャー帰りとは、力の衰えや故障によりもうメジャーから必要とされなくなった結果、仕方なく日本に帰ってくるというのが相場(今年の松坂のソフトバンクへの入団もこれに当てはまります)で、黒田のように来シーズンも現所属のヤンキースから年棒約19億円の再契約をオファーされ、パドレスからは約21億円での入団をオファーされて、メジャーへの残留をメジャー自身からも切望されているにも関わらず、4億円(それでもカープにとっては精一杯の年棒のはずです)提示のカープの戻ってくるのですから、どだいお金の問題でないことは明確です。これは魂の次元の問題であり、そこにあるのはカープ愛だと思います。

黒田にとっては、ポスティングでのメジャー移籍可能性のラストイヤーを迎えるマエケンがまだ来年はカープに残っていることに加えて、昨シーズン、キクマル・コンビを中心にもしや優勝?という闘いを見せたペナントレースでのカープの活躍も耳にしていたはずで、『自分が来年カープに復帰すれば、24年ぶりのカープ優勝をカープファンに届けることができる』と確信し、カープの優勝をどこよりも熱い広島のファンにもたらしたいという願いでの決断だったことは容易に想像できます。

さらに先日このブログでも話題にした新井のカープ復帰も黒田の今回の決断には影響を及ぼしたのではないでしょうか。弱小時代をともにした元エースと元主砲。元主砲がいろいろな経緯があれど古巣復帰を果たしたことは、黒田のこころの琴線にも触れていたはずで、結果的に新井復帰というカープ球団の寛大な選択は、黒田の元々強かったカープ愛を刺激し、今回の偉大な復帰決断への繋がっているともいえ、われわれの日常生活においても「つねに過去にこだわらず寛大でさらりとした気持ちでものごとに処する」ことの重要性も今更ながらに感じたりしました。

こうして書くのはやさしいのですが、世知辛い現代において、金銭にとらわれない選択をするというのは本当にすごいことです。考えてみてください・・。今までのプロスポーツのなかで、20億を捨てて4億をとるという選択をする選手がいたでしょうか?

広島に関わる人々にとっては夢のような選択であり、文字通り「ありがたい」出来事なのです。カープファンの奥田民生さんによる「わたしは泣いています・・・」という言葉にもそれは集約されています。新井に限らず、プロならばお金をたくさん出してくれるところに引かれるということが普通であり、それを覆し、5分の一の待遇を選んだ黒田の決断はまさに侍魂であり、日本男児の心意気というものを感じます。そこにはカープに対する絶ちがたい愛情があり、それを引き出したカープ球団とカープファンのこれまでの熱い営みの賜物ともいえ、これは本当に敵ながら天晴だと思います。中日ファンのわたしからすれば、「名古屋っ子で中日ファンであることをはばからないイチローが、3年前にヤンキースから中日入団を決断」という現象にほぼ等しいと言えます。地元広島でもスポーツ好きの間でも顔を合わせればこの話題というほど期待にわきだっています。

もう黒田の今回の選択だけで誰の記憶に残るほどの事件であり、伝説的事件なのですが、それでもこれでカープ優勝が保障されたわけではありません。黒田、マエケンの両エースにキクマルを始めとした野手の頑張りがなければ、それでも優勝は難しく険しい道のりです。カープ球団にしても、黒田の決断はありがたいとともに、畏れ多い事件といった側面もある気がします。カープにとっては「これで優勝できなければいったいいつ優勝する?」という重要なシーズンになるわけでで、それはそれは巨大なプレッシャーです。それでもそのプレッシャーのなかで実際に来年の優勝を実現してこそ、黒田の伝説的事件は本物の伝説として完結すると思うのです。はっきりいって、この闘いにこころ震わさずしてスポーツファンとはいえません。

おそらく来シーズンはカープファンだけでなく、プロ野球ファンにとっては伝説の年になることは間違いのないところです。わたしにしても、来年は一スポーツファンとして、また隠れカープファンとして、カープの闘いを見届けるべく足しげく球場に足を運ぼうと決意しています。

カープ、頑張れ!!