あと1センチの恋

「ゴーン・ガール」のあと、八丁座名物はしご鑑賞(1100円です)で本作を鑑賞してきました。これは正直「ゴーン・ガール」のついでという感じでしたが、個人的に数日たって心にしっかり残っているのはこちらです。なぜかというと、誰もが幼いころや青春時代に通り過ぎてきた、あの届きそうで届かない同級生との運命的なすれ違いをコミカルに劇的にテンポよく印象的に描いているわけなので共感しやすいのです。だれの心の琴線にも触れやすい作品でありながら、物語は、劇的で絶妙なすれ違いのタイミングなど大胆にデフォルメされているので、さすがにこんなすれ違いはないよ~と突っ込まれそうですが、わたしたちは自分の若き時間において大なり小なりこれと相似形のすれ違い体験を、こころに秘めた異性に対して多かれ少なかれしていることが多く、とても胸キュンとなる機会の多い作品なのではないでしょうか。青春時代の恋に一筋の後悔を持たれている方には結構おすすめです。

この日の八丁座には、高校生の女の子同士の観客が多く、うーん、若いのにしっかりとこの作品の情報をしっかりとどこかで得て、映画館で鑑賞できるなんてなかなかやるな~とすっかりおじさん目線でいる、青春時代にやや悔いを残しているひとりのおっさんがいました。

まったく関係ないのですが、個人的には,高校の2年の冬休みに生まれて初めて女の子とふたりきりで観た「エンドレスラブ」(若きブルックシールズ主演作で、ダイアナロスとライオネルリッチーによるデュエットの主題歌が美しい映画でした)を思い出しました。そういえばあの作品も劇的なまでにすれ違いの悲恋の物語でしたね。そしてわたしの高校時代最後の恋もほどなくして悲恋として散ったのもいまは懐かしい思い出です。

わが東広島でも「ゴーン・ガール」や本作が普通に上映される日が早く来てほしいものです。