キャナルシティ博多再訪

先日、セミナーのために博多に行ってきました。外タレのコンサートのためにしばしば訪れている街ですが、今回のセミナー会場は福岡グランドハイアットホテルであり、このホテルはキャナルシティ博多に隣接しているのです。キャナルシティといえば、1996年開業です。もう20年近くになるのですね。当時わたしも働き出して間もなくで、これが完成した際はすぐに訪れ、いたく気に入ったようで、なぜか特別な用もないのにしばしば広島から足を伸ばし訪れたものでした。当時はバブルの名残的な商業施設であり、広島にはない種類の施設だけにその豪華さと楽しさに魅了されていたように記憶しています。

時の過ぎ行くのは早いもので、おそらくかれこれ10年ぶり以上の再訪になりましたが、この間、イースト館というH&M、ZARA、ユニクロをはじめとした巨大ファッション館が新設され、パワーアップしていました。

わたしが訪れた日曜日も人工運河に臨む広場では、チアリーダーグループのコンテストのようなイベントが開かれていて、もう雰囲気はバブルのころと変わらず、カーニバル状態で相変わらずキャナルシティは楽しいな~とウキウキする自分がいました。ちなみにこのキャナルシティをプロデュースし、今も運営する「福岡地所」にはいつも感心させられます。同社が企画したマリノアシティ、小倉のリバーウォーク、大分のパークプレイス公園通りなどはお気に入りで興味あふれる施設なのです。こんな企画力のある会社が広島、できれば東広島を舞台に団地&テーマパークなど展開してくれれば・・なんて夢想したりします。

今回、実はこのブログで取り上げようと思い立ったのは、このキャナルシティのなかの無印良品です。ここにちょうど3月5日にオープンしたというMUJI BOOKSが素晴らしいのです。わたしの10代後半に地元名古屋で産声をあげた初期のヴィレッジヴァンガードのようなわくわくドキドキするような本の品ぞろえでした。音楽、住まい、食べ物、本、旅、生活をテーマにしたちょっといい本が目白押しで、「へ~こんな素敵な本が出ているんだ~」という驚きと嬉しさがこみ上げてくる品ぞろえで、最近診療にあけくれ頭が以前よりぼんやりとしているわたしの感性も久々刮目させられました。それにしてもなかなかナイスな選択だな~と感心していたら、どうやら本の選択プロデュースは松岡正剛さんとか・・なるほど3年前、彼のプロデュースによる、丸善丸の内本店でのショップ・イン・ショップの企画書店・松丸本舗も傑作でしたが、あれは期間限定だっただけに、今回のMUJI BOOKSには末永く営業してほしいものです。

思えばヴィレッジヴァンガードは、野ざるで好奇心だけは強かった10代のわたしの文化レベルをずいぶんひき上げてくれた地元発祥の本屋さんで、当時この本屋を訪れるたびに「よーし、これを全部読破してやるぞ~」という気にさせる本の山脈にあふれていました。その品揃えにおおいに刺激・感化されたわたしは足しげく通い、BGMにビル・エヴァンスの「サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジヴァンガード」や「ワルツ・フォー・デビー」が流れる心地よい店内で文字通り本の海のなかに浸っていました。わたしにとってはこの本やを通じてサブカルチャーに目覚めたという点で、今でも感謝に絶えない本屋さんです。月日は流れ、ヴィレッジ・ヴァンガードは今では全国展開して誰もが知らぬ人がいないというお店になりました。しかし残念ながらそれは「面白い雑貨屋さん」という感じでもう本の割合は半分を切っているお店ばかりで、わたしが尊敬し、影響を与えられたそれではありません。今でも帰省のたびに訪れる名古屋の植田1号店などはかつての面影を残しているものの、わが街東広島のフジグランに入るヴィレッジヴァンガードも面白雑貨屋であっても本屋という感じではないのです。しかし、今回セミナーの帰り際に偶然訪れたMUJI BOOKSはまさにかつてのヴィレッジをほうふつとさせるようなワクワクさせる品ぞろえで、最近、本にはやや財布のひもが固いわたしも思わず、5冊ほど久々大人買いしてしまいました。このブログを読んでくださっている方で、もし博多を訪れる機会があれば、ぜひキャナルシティのなかのMUJI BOOKSに寄ってみてください。新たな発見をすること請け合いですよ。