ソロモンの偽証~前篇・事件

先日、T-JOy東広島にて話題の新作「ソロモンの偽証・前篇」を鑑賞してきました。原作はいまやミステリー界の重鎮になった宮部みゆき。わたしもミステリーについては小学生の時分までは、シャーロックホームズものや江戸川乱歩、横溝正史などを耽読したものの、中学以降はさっぱりミステリーを読む機会が減ったので、2007年度週刊文春ミステリーベスト10このミステリーがすごい!で第2位にランクインしたという本作がどれほどすごいミステリーなのか?という興味で映画館のなかに足を踏み入れました。

まだ前篇なので予断を許しませんが、これはミステリーというよりは、学校を舞台とした青春人間ドラマだと思いました。テーマである犯人捜しはそれほど興味をそそりません。それよりも、さまざまな思春期にある問題~いじめ、受験の失敗、学校の閉塞感、自尊心、劣等感、復讐心、育った家庭の不幸、正義に対するあこがれ~等々の問題が中学時代特有の混沌のなかで、裁判という形で集約されていく泥臭い人間ドラマを見た気がしました。さすが成島監督といったところでしょうか?

思春期心性の興味深さが映画では表現されていますが、後篇は時間があったらなんとか見ようという微妙な印象を残した作品でした。ところで、本作の主題歌はU2の「Within Or Without You」であり、これは製作者サイドがわたしと同じ世代なんだな~という妙な感慨にふけったりして映画館をあとにしました。

 

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コメント: 2
  • #1

    シネ丸 (金曜日, 10 4月 2015 10:15)

    開院2周年おめでとうございます。  患者様の為のお忙しい日々が続かれると思いますが,ブログの映画評論もよろしくお願いします。
     「八月の蝉」の成島監督の新作なので期待して鑑賞しました。 2部作の前編なのでわかっている事ですが,後編の長い予告編をみているような感はまぬがれません。 オーディションで選ばれた子役たちも精一杯がんばっていますが,NHK教育TV「中学生日記」の裁判劇みたいにみえてしまうのはしょうがないのかな。  でも主役の藤野涼子ちゃんは蒼井憂ちゃんのデビューの頃みたいなかわいい雰囲気があり大スターへの予感が十分。 後編は封切日に観に行く予定のシネ丸でございます。

  • #2

    tomiyasu motoharu (火曜日, 16 2月 2016 11:24)

    八月の蝉はたいへんおもしろく鑑賞しました。切なく感じました。
    ソロモンの偽証というタイトルのソロモンとは、賢者のソロモン王のことなのでしょうかね?麒麟の翼はみましたが、そんな感じの映画でしょうか?