駆け込み女と駆け出し男

本作をT-Joy東広島にて月曜の夜、メンズデイにて修行してきました。大泉主演作品って「しあわせのパン」「探偵はBarにいる」「トワイライトささらさや」などなどなぜかしっかりとチェックしている自分なので、結構役者としての彼のことが好きなのかな?なんて思いながら、映画館に馳せ参じました。


いい映画というは、観る人によってさまざまな切り口を与えてくれる作品だと思いますが本作はまさにそれでした。


わたしにとっては、大泉洋の役者としての成長、眉を剃り落した満島ひかりの眩いばかりの存在感、まるで上質の落語の三本立てのような人情活劇に、それをさ支える登場人物たちの歯切れのよいセリフ回し、江戸末期の映像空間の創出。これらだけで観る価値の十分ある作品でした。


大泉洋はもともとは札幌の地元タレントだったということですが、もうすっかり日本を代表する男優になったのではないでしょうか。これはわたしの敬愛する男優・阿部寛さんももともとは俳優ではなく、メンズ・ノンノの軽薄イケメンモデルであったということとも符合し、「本当の才能というのは辺境からこそやってくるものなのか?」・・・なんていう感慨とともに、大泉くんの役者としての独り立ちをしかと見せてもらいました。


満島さんは、彼女がまさに駆け込み女ならぬ、まだ駆け出し女であった「愛のむきだし」以来、その出演作品にはずれなしといえるほどの存在です。そんな印象を持っているわたしからしても、さらに女優としてまた階段を登ったな~と思える存在感でした。


そして、江戸古典落語の世界に影響を受けたであろう井上ひさし原作の仮想世界をその切れのいいセリフと映像で再現した原田眞人監督。さすが映画評論家から映画監督に転身したという日本のF・トリュフォーといえる監督だけあって今回も一回の鑑賞だけではその味わいが玩味しきれないほどの奥深い作品をつくってくれました。拍手です。


まさに本作は『素敵』な作品(なぜわたしが『  』を使ったかは映画をみてくださればわかりますよ)になっていました。この後、夏に公開を控える「日本の一番長い日」にも期待したいと思います。

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コメント: 2
  • #1

    シネ丸 (日曜日, 21 6月 2015 04:42)

    江戸時代末期、離婚を求める女たちが駆け込む鎌倉の東慶寺が舞台の作品。
    ロケが行われたのは姫路市の書写山円教寺、原田眞人監督が俳優として出演したトム・クルーズの「ラストサムライ」が撮影されたお寺です。 原田監督が自分が時代劇を撮る時は、是非ここで撮影したいと長く考えていたそうです。 重要文化財の建物の中での撮影は、色々な苦労があったんだろうなと思いながら美しい映像に見入っていました。 特に紅葉の時期が素晴しいお寺ですから、白鷺城とセットで広島の皆様もいらっしゃってください。
    学生時代に観た井上ひさし先生のお芝居を映像化したような、生き生きとした役者の演技とその溢れ出すセリフの数々 もう一度鑑賞したい思いは私も同じで御座ります。

  • #2

    tomiyasu motoharu (木曜日, 18 2月 2016 09:52)

    大泉さんは、俳優らしくない、というオーラがでておりますよね。芸人の雰囲気はありますが。香川照之が名優といわれますが、どうもわたしには、くさく感じてしまいます。堺正人もですね。坂東英二や藤村富美男など十分俳優できていたようにおもいます。意外ですが、キャラの幅の問題もありますが、鶴瓶さんもいけるようにおもいます。