何者

予告編の音楽と映像の融合がテンポといい、画面の切り替えといい、なかなかいかしており、これは観なければと思っていた本作をなんとかT-Joy東広島にて観てきました。

就活をするなかで、さまざまな思惑と嫉妬と不安、自信の揺れが交錯する青春物語です。出演者も佐藤健、有村架純、二階堂ふみ、菅田将輝、岡田将生といった若手人気俳優にやや重鎮の山田孝之と若手有望株が揃い、その演技力を競うように物語を展開させていきます。

 

幸か不幸か、こうした就活のような競争に近い不安定な活動を経験していないわたしには、こうした切磋琢磨するなかで揺れ動く人間関係は未体験です。しかし本作を観て、十代のころに熱心にみた山田太一原作のテレビドラマ「不ぞろいの林檎たち」を思い出し、現代版「不ぞろいの林檎たち」なのかもしれない・・なんて思ったりました。

しかし、その青春群像はずいぶん異なります。80年代当時のできそこないの林檎たちはつねに明白な苦悩を画面いっぱいにぶつけ、その背中にはつねに苦悩と煩悩を背負っていたものでしたが、時代は移り、いまや同じ青春どまんなかの若者たちは苦悩さえもお互いにはっきりとお互いにぶつけたりはせず、本音や嫉妬心、競争心などは人知れずSNSに思いをつづるクールさと暗さと儚さを身に着けたわけです。

 

予告編でアナウンスされていた大ドン返しのようなラストの秘密を楽しみに観ていたわたしですが、いざラストでそれが明かされると、映画的にはやや弱いサプライズかな~という印象を持ったりしました。しかし、本作の原作は直木賞受賞作であり、これはこれで文章でじっくりと読むといい味わいが出るのかもしれないとも思い、朝井リョウの原作を翌日には買ってしまいました。そのうちに時間ができたら読みたいものです。