ラプラスの魔女

本作を封切られてかなりたってから、梅雨入りしたジメジメした夜にT-JOY東広島にて鑑賞してきました。ちょうど上映時間のタイミングがあっての遅まきながらの修行となりました。

 

東野圭吾原作、三池崇史監督、俳優には櫻井翔、広瀬すず、福士蒼汰と豪華な顔ぶれです。それにしても広瀬すずは売れていますね。

 

本作については観てのお楽しみで、わたしがどうのこうの言うことはとくにないのですが、東野圭吾さんの原作(ちなみに東野さん原作としての傑作映画はやはり「容疑者Xの献身」ではないでしょうか?)らしい奇抜な犯人捜しの気象ミステリーとして観るのもよし、将来有望な若手俳優らの初共演を楽しむのもよし、犯人の動機を通して人間の愚かな業を嘆くのもよしの奥の深い作品に仕上がっていました。

 

実は本作で一番印象に残ったことは、物語の冒頭シーン絵で、資産家の男性が突然死んで、三番目の妻による遺産目当ての殺人がまずは疑われるという物語のくだりは、なんと偶然ながらいま世間を騒がせている「和歌山のドンファン」事件と奇妙にシンクロしており、ややびっくりし、「フィクションもノンフィクションも本来は反対に位置するものでありながら、ありそうでない、なさそうであるという、これらの相反するはずのものがまるで万華鏡にように近くに寄り添っている時代なんだな」という感慨を抱きながら、雨が降る夜の街のなかワイパーの動きを見つめながらの帰路になりました。