家へ帰ろう

本作を「マイ・ジェネレーション」とはしごで、サロンシネマにて鑑賞してきました。

 

かつて18歳のときにユダヤ人としてナチスから追われ、命からがら故国ポーランドからアルゼンチンに亡命した男性が、老いて仕事も引退し、子どもや孫らに財産を相続した途端、老人ホームにいれられそうになったことに憤慨し、70年ぶりに旧友を訪ねるため、故国へ戻ったという実話を基にしたロードムービーです。

 

苦難続きの人生ながら、洋服職人として成功した主人公が思い切って故郷へ帰る道中で世代を超えた人々の助けを得ながら、ついにかつて自分が住んでいた家にたどりつき、待っていたものは・・・というどこかで観たことのある、鉄板のこころ温まる物語なのですが、主人公のちゃめっけさや頑固さがいい隠し味となり、悲しいだけに終わらない、ちょっとだけ愉快な旅物語となっています。

 

故郷を捨てて異国で人生の終わり近くまで頑張った男の意地と誇りが画面の至るところにこぼれているような作品であり、わたしがもう少し年を経ればもっと感動するのでは・・?なんて思いながら、映画館をあとにしました。

 

余談ですが、こうした欧州を舞台にした物語を見て、いつも我が国と違うな~と思うのは、70年も前なのに、街並みやかつての家がそのまま存在し、現役の住居として普通に使われているということです。

どちらがいいということもないのでしょうが、古いものに改善を加えながら大事に使っていくという文化、我が国のように穢れを嫌い数年で新たなものに更新していく文化が世界にはあります。我々はグローバル化という名の下に、それらの文化や価値観を無理に統一しようとなどせず、違いを認めながら、共存していきたいものだと思ったりしましたよ。