運び屋

本作を4月になったばかりの月曜の夜にT-Joy東広島にて鑑賞してきました。

 

名作「グラン・トリノ」を最後にフィクションを一切撮らず、アメリカ人の生き様を表す実話を基にした映画しか撮らなくなったクリント・イーストウッドの最新作です。

 

本作も完璧にその路線であり、良いも悪いもなく、アメリカというさまざまな価値観や矛盾を抱える国で生まれ、懸命に生き、喜びとともに挫折と孤独を味わいながら、まるで出来の悪い喜劇のように最後までその生き方を貫いた90歳にもなる男の生き様が描かれていました。

 

しかしそこはイーストウッド。そうしたひとりの孤独で愚かで頑固なアメリカ人を描きながら、ユーモアやスリル、意外な展開をたどる物語を織り込んでいるので、ハラハラドキドキはもちろん人生の教訓も十分にあり、素敵なエンタテイメントになっていました。

 

いずれにせよ、観た人は百人百様の感想を持って映画館を出ること間違いなしの作品に仕上がっており、これはもうイーストウッド・マジックといえる名人芸となっており、次回作がまたまた楽しみになり、永久にそのマジックに浸っていたいと思ってしまう人間がわたしだけでなく、全世界にいるのだろうな~とにんまりしながら、良い映画を観終えたあとの独特な充足感を感じながら、T-Joy東広島を後にしました。