ロケットマン

本作を終映間近にT-Joy東広島にて修行してきました。イギリスが生んだ、希代のエンターテイナー、エルトン・ジョンの自伝的映画です。あの「ボヘミアン・ラプソディ」と「キングスマン」のチームが組んで制作されており、まさにオールイングリッシュ映画という感じです。

 

「ボヘミアン」以来、ロック・ジャイアンツの自伝的映画はちょっとしたブームであり、現在もビージーズの物語も制作されているようで、しばらく続くムーブメントになっており、本作もその系譜をしっかり踏襲する作品になっています。

 

音楽の才能に恵まれながら、両親の愛がまったく得られず、祖母の理解だけを頼りに育ったレジー少年がビートルズのジョンレノンからジョンの名前を拝借し、バーニーという詩人を相棒に得て、「ユア・ソング」という名曲を皮切りに世界を相手にどんどん出世していく物語。そのなかで、バイセクシャルであることを自覚し、ドラッグにはまっていくという点ではフレディ・マーキュリーとも相似しています。

 

ただフレディと違って、エルトンはその葛藤や内面的カオスをコンサートという公の場でさらけ出しながら、格好悪くてもやりたいことをやってロケット男として生きていくことを選択します。ここは好き嫌いが分かれるところではあり、わたしなどはフレディの美学のほうが好みですが、なんといってもエルトンの残したメロディは唯一無二ももの(ミュージカル「ライオンキング」での彼の創作音楽は特に素晴らしいものと常日頃から思っています)であり、それらの作品の素晴らしさ、そしてなんといってもまだ彼は生きており、これからも新作を我々人類は届けてもらえることができるわけで、本作を通して、彼の半生を勉強させてもらった作品となりました。音楽もさすがに良かったです。

 

今後はこの調子で偉大なミュージシャンの素晴らしい伝記映画を観てみたいものです。差し当たっての期待の筆頭はマーク・ボラン(T-REXのリーダーで、名作漫画「20世紀少年」のモチーフになった「20th Century Boy」の作者)です。なかなか売れないフォーク歌手だった彼はいい音楽を作るために、ある日、黒魔術師と出会い、自らの30歳以降の人生を手渡す代わりに、素晴らしい音楽を作る能力を与えられるという契約をし、そのとおりにその後、何かがとりついたかのようにエレクトリックでブギーな大音響の素晴らしいロックミュージックを作り始め、結果時代の寵児となりロックスターになりました。そして30歳の誕生日を迎える数日前に約束どおりパリ郊外にて交通事故で命を落としているというとんでもなく興味深い人生を送っています。彼の音楽はキャッチーで爆発しているし、それでいてよく聞くと、楽曲「メタルグルー」などが典型的なのですが、大音響のなかでメロディアスで泣きがあり切なくて心揺さぶられる楽曲群にあふれています。人生そのものも劇的で興味深く、彼の伝記映画を製作すれば大ヒット間違いなしだと思うのですが、どうでしょうか?

 

P.S.あと映画化したら面白そうな物語はデビッドボウイ、ジミ・ヘンドリクス、カートコバーン、加えてベタなところではプリンスやマイケルジャクソンなどがあげられますが、彼らは遺族財団が強大であり安易に伝記の映画化を許してくれそうにないでしょうから現時点で期待薄であり、その点マークなら、一部では熱狂的な人気を保持していても、公的にはそこまでビッグな存在でもなく、密かに期待しています(笑)。