東京リベンジャーズ

本作をオリンピックの観客問題で揺れる梅雨明けしたばかりの7月の夜にT-Joy東広島にて鑑賞してきました。

 

本作は原作漫画が少年マガジンで連載され、累計発行部数1000万部を超えるという大ヒット漫画の映画化で、一言でいうとヤンキー&タイムリープものです。最近、この手のタイムスリップを利用したパラレルワールドの人生修正物語って多いような気がするのですが、時代の気風がそうさせるのでしょうか?

 

本作は物語がどうこうというよりは、ズバリさまざまな登場人物たちが少し怖いながらも純粋で痛快で魅力的で眩いばかりの光に溢れています。住む世界が違えど、久々モノホンの溢れるばかりの「つっぱり魂」(すみません。モノホンも含めて死語の連発です)のカッコよさを実感しました。

 

とくに敵役かつ最大の悪と思われていた東京卍會のマイキーとドラケンのコンビが光っています。決してどんなことがあっても道理を通し、後にひかない漢気と熱い友情が画面いっぱいに炸裂しており、すっかりおっさんになったわたしでさえもこころが震えました。

 

そして吉沢亮君(NHK大河の渋沢栄一と同一人物とは思えない役者ぶりです)演ずるマイキーは反則と言えるほど強くクールでかっこよく、軽々しい口調の裏に芯の強さが隠れているという、観てて惚れ惚れするような男前ぶりで、いやはやまいりました。男性のわたしでも惚れてしまいそうです。原作漫画でもさぞかし魅力的に描かれていることが容易に想像つき、機会があれば挑戦してみようという気持ちになりました。

 

以前に本ブログでもとりあげた「今日から俺は」や「やくざと家族」にも言えることなのですが、ヤクザおよびヤンキー映画には世界を愚直に真っすぐな視点でシンプルに描くことができる一筆書きのような風情があり、本作の筆さばきも痛快でさすが出色の面白さでした。

 

こんな真っすぐでかっこいい人物たちにはなれなかった自分のことはさておき、鑑賞後はこころにさわやかな風が一陣巻き起こり、輝くばかりの漢気と友情がいつまでも仄かにこころに灯り続ける作品になりました。