竜とそばかすの姫

7月の暑い夏の夜に、待望の細田守監督の最新作である本作をT-Joy東広島ににて鑑賞してきました。

 

わたしにとってこころのなかで、細田監督は陽の細田、陰の新海と呼んでいる、アニメ2大監督の飛車角のひとりであり、これまでも「時をかける少女」「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」など明るく痛快な作品に楽しませていただいてきました。

 

そして本作ですが、今回はいつもに比べれば、やや重いテーマ(いつもよく考えれば重いテーマではあるのですが)が横たわっている作品でした。仮想現実「U」のなかで全世界注目のそばかすの歌姫「BELL」。そこで出会う荒くれものの「竜」と出会い、お互いにシンクロする精神的外傷を抱えながら、現実世界での解決を成し遂げ自己の世界を改変している物語です。「サマーウォーズ」をさらに精神的に深く潜った作品になっています。

 

本作においてもさすが細田監督、いまを懸命に生きる主人公や仲間たちが本作でも画面狭しと動き回り、仮想世界のめくるめく大胆で美しい映像にはうっとりでした。当然ながら観ておくべき作品になっています。

 

しかし本作は家庭内における子どもへの虐待問題を扱っており、この問題はさらりと解決することが不自然なほど重い問題であり、いつも痛快な印象はやや薄かったです。個人的な好みとしては「サマーウォーズ」のほうがバランスのいい印象を持ったのはわたしだけでしょうか?

 

深読みすれば、それこそが細田監督の狙いであり、今後はただ痛快で大胆な作品という方向性からこころの暗い内面的世界を表現していくという方向転換の予告なのかもしれません。

 

いつかわたしのこころのなかでも「陽の細田監督」から「陰陽の細田監督」になっていきそうです。