国宝

話題の本作をT-Joy東広島の一番の大画面である1番シアターにて鑑賞してきまた。 あの「悪人」「怒り」といった傑作を生みだした吉田修一原作、李相日監督の黄金コンビによる作品です。 また李相日監督による「フラガール」はわたしの歴代邦画ベスト5には確実に入る、いまもこころを揺さぶる傑作であります。

 

また行きつけの書店でもよく見かける、ふたりが女形で向き合うという美しくもあり印象的な文庫本の表紙も映画観覧を誘っていました。

 

映画を観終わってまず感じたのは、本作はスケールが大きいうえに現代的でありながら、歴史に残るであろう普遍的芸術作品だ・・・ということです。 日本の伝統的な歌舞伎を背景に、芸術における才能と血筋、若き日の友情と確執、芸術への個人の傾倒に伴う家族の犠牲、人の営みを嘲笑う無常な年月の流れ・・。さまざまな物事に打ち込むひとという存在を深掘りしたテーマがプリズムのように輝いていました。

 

まぁそうしたたいそうなテーマよりなにより理屈抜きに映画的画像が美しいです。 これが本作の一番の魅力ではないでしょうか。 本作はぜひとも映画館の大画面(T-Joy東広島なら1番か6番シアター)での鑑賞がおすすめです。 いずれにせよ映画館での生体験が本作の魅力を味わうには一番の方法であり、まだ絶賛上映中なので、みなさんもぜひ本作の映画館体験されてください。

 

本作を観終わって、わたしも日々の営みをいろいろありながら懸命にそれに向かい、日常のトンネルを潜り抜けて、いつか京都か東京で本物の歌舞伎の舞台を観たいと思いました。