宝島

昭和の時代、返還前の沖縄を舞台にした本作を10月のとある休日にT-Joy東広島にて鑑賞してきました。 予告編がとても魅力的だったのと、個人的に大好きな沖縄を舞台にしているだけに必見の作品でした。

 

本作は、米国占領下にあった沖縄を舞台に、その沖縄を宝島と見立て愛憎なかばする若者たちの葛藤と活躍を描く物語です。 

 

若者たちの英雄であったオンが米軍基地の物資あさり(要はドロボウです)のなかで唐突に仲間に何も告げず行方不明になった本当の理由、彼が最後の夜に見つけたという”予定外の戦果”とは・・? それら暗く横たわる謎を残されたオンを崇拝する3人の若者たちがそれぞれ成長し、それぞれのやり方(刑事、教師、ヤクザ)で探索し懸命に生きていきながら、徐々に真相に近づいていきます。

 

占領下の沖縄において”小学校への米軍機墜落事件”をはじめ実際に起こったリアル事件を縦軸に絡めながら、民衆の米軍兵による理不尽な犯罪に対する歴史的事件「コザ事件」を最後のクライマックスに物語はさまざまな謎に対する真相を用意し終幕に向かいます。

 

謎に対する真相についに触れた観客のさまざまな感慨( わたし自身はさもありなんという印象とともに、もう少し政治的側面が絡んでいるのでは・・という期待があっただけになるほどそう来たか~という感慨でした )はさておき、本作は何と言っても、1950年代、占領下の沖縄の街や基地の空気感、コザの混沌、人々の汗と涙が混じるさまざまな生きざまを映像として生き生きと再現構築したことにあると思います。 あまりの困難さに一度は撮影中断になったこともあると聞いてますし、さぞかし大変なロケが続いたであろうことは容易に想像がつくのですが、その映像は活力と時代の空気感まで伝えており、まるで観てきたかのようなリアルさであり素晴らしい出来栄えでした。

 

帰路、もし自分があの時代の沖縄に生まれていたらどんな生き方になったのだろう?・・と想像する自分がいました。 本作は、時代のうねりの濁流にのまれながら見果てぬ夢や宝を探して誰もが必死に生きていた昭和の一側面を沖縄を舞台としながら活写した素敵な作品でした。