6才のボクが、大人になるまで

本作を「フォックスキャッチャー」に引き続き、はしごで八丁座で鑑賞してきました。

6才の主人公メイソンが18才になるまでの現実の12年間を実際に12年間かけて撮ったという壮大悠長な作品です。物語はアメリカによくある?家庭を12年間にわたりカメラが追う中で、メイソンが実際に6才の子供から18才の大人(大学入学まで)になっていきます。その間、両親がお互いの生き方の違いから離婚。母親にひきとられ育てられるものの、母親の再婚相手は大学教授なのに、私生活では最低のアル中&DV野郎・・。母親は大学で学びなおして自己実現を果たしたいという目標のため、繰り返される転校と引っ越し。それに伴う友達との出会いや別れ、初恋や失恋。父親もまた新たな結婚を果たすなかで異母姉妹もできたり。さまざまな出来事や苦難のなかで将来への夢もなんとなく見つかり成長していく少年メイソンと姉サマンサが12年間という時間のなかで外見と内面の成長が見事に描かれています。アメリカらしいアコースティックなBGMもなかなかこの家族の物語にフィットして素敵でした。

まあそれにしても12年間もよく同じ役者たちが集い、その役柄を演じ続けたのには感心しました。でもよく考えてみれば、わが国においても映画ではないのですが、かつてテレビドラマ「北の国から」において、なんと1981年の放送開始から2002年の番組終了までの21年間の長きにわたり、小学4年生の純くん役だった吉岡秀隆くんの成長を結果的になんと11才から32才まで映像に納めたという希有なドラマがあり、うーーん、やっとアメリカも我が国に追いついてきたか・・・なんて思ったりした作品でした。

 

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コメント: 3
  • #1

    シネ丸 (火曜日, 17 3月 2015 10:49)

     封切時でしたので鑑賞したのは去年の11月でした。 同じ俳優が12年間同じ役を演じて165分の映画にした発想には驚かされました。 でもアカデミー賞の本命(結局はノミネートのみ)になるとは思いませんでした。
    多少のドラマはあったはずだけど,四か月経った今はあまり記憶に残っていません。 覚えてるのはお母さん役のパトリシア・アークエットが12年間で醜く太った事とお父さん役のイーサン・ホークが少しも変わってないところですかね。

  • #2

    fourseasons-clinic (木曜日, 09 4月 2015 17:40)

    確かにこの作品がアカデミー賞をとったりしたらおおごとですよね。企画の息の長さには感心させられますが、アカデミー賞をとるサムシングにはかけていましたよね。でもアメリカ人はかつての「ルーツ」もそうでしたが、個人の一代記というのを相変わらず好むのだな~と思いました。今月はいよいよアカデミー賞受賞作「バードマン」を観に行くのでまたつたない鑑賞記を読んでやってください。

  • #3

    tomiyasu motoharu (火曜日, 16 2月 2016 10:28)

    渡鬼もながいといえばながかったですかね。家庭がドラマとすれば、40年も50年もと。特別養護老人ホームで知り合ったカップルが結婚されているのを新聞記事でしりましたが、足して160歳でした。このカップルにはあとこれから
    12年くらいのドラマがあってほしいです。